チャートの波とはなんなのか
価格は現在というタイムライン上で永遠に、ただひたすらそこで上下運動を繰り返しているにすぎません。しかし各時間足のチャートにおいてその足が確定すれば、それは1本左にずれて情報として可視化されていきます。それらが溜まっていくとやがて価格は、波を作りながら時間を進んでいるような錯覚を、わたしたちに起こさせてきます。
値動きに与えられたいろいろな定義
可視化された上下運動の情報には、いろいろな定義を定めることができます。例えば下記チャートでは、誰もが当たり前のように考えている「高値」や「安値」、それらが切り上げ続けている状態を「トレンド」だとか、何度も意識されて留まっていた価格や価格帯を「抵抗線(レジスタンス)」や「支持線(サポート)」などと言ったり、トレンドの安値を「押し安値」などと呼称したりすることです。他、ダブルトップやダブルボトム、三尊やフラッグなどの有名なパターンも、誰かが定義し広まったものですよね。
ただ、大切なのはこれらの情報をたくさん知ることではなく、如何に自分がこれらの情報の中から取捨選択し、自分のトレードのシナリオを構築するために上手に扱うことができるようになれるかだと、わたしは考えます。
チャートの波の特徴
トレンドと転換
チャートの値動きを波として定義していく上でかかせない最も基本的なもの。それが「トレンド」と「転換」です。
トレンドとは連続する高値と安値が切り上げている(切り下げている)状態のことをいい、転換とはこの中の一つの波の高値や安値が崩れた状態を指して言います。そして、この波の一つ一つをダウと呼びます。
ここでいうダウとは、わたしがダウ理論から勝手に取り出した名称ですので、本来の意味・用途とは異なることをご了承ください。また、ダウ理論自体はとても有名なものになりますので、インターネット検索でご自身でお調べになってください。
継続しているトレンドは、それ自体が1本の波と認識される
例えばⓐ~ⓖまで継続した下降トレンドは①という1本の下降波と認識することができ、ⓗ~ⓜまで継続している上昇トレンドは②という1本の上昇波と認識することができます。
これはなぜかというと、このトレンドが出ている波をもっと引いて見た時(上位足のチャートに切り替えて見た時)に、それがただの1本の波としか認識できない状態であることが分かるからです。
波は二個一三個一で考える
ダウに転換が起こるとすぐに、その波が方向転換したと解釈してしまいそうですが、実はそんな簡単なものではありません。転換はあくまで転換であり、=方向転換ではないのです。例えば左図のトレンドは、①から⑥まで下降トレンドが形成されていましたが、このトレンドの高値である⑤は崩れてきました。これは確実に転換が起こっているということが分かります。ではこの続きを見てみましょう。
はい、このように転換は失敗してしまいました。さて、この波は最終的にどう解釈できるようになったでしょうか?
なんと①-②-③-⑥-⑦-⑧という下降トレンドが継続したことになってしまいました。このようにトレンドは、先端のダウが転換したからといって“終わった”とは言い切れないのです。このことからも分かるように、最終的な解釈によって継続か否かが変わってしまうのがトレンドであるため、多くの中級トレーダーが勝ち越すことに苦労していると考えられます。
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